花粉症の基礎知識
花粉症とは?監修:日本医科大学 耳鼻咽喉科 教授 大久保 公裕先生
意外と知らない花粉症の知識! 花粉症の症状には主にくしゃみ・鼻みず・鼻づまりがあります。その中でも見逃されがちなのが鼻づまりです。花粉症患者さんの約9割の方に鼻づまりの症状があるといわれています。花粉症をよく理解し、早めに対策をしてシーズンを快適に乗り切りましょう。
花粉症の原因
花粉症は、スギなどの花粉(抗原)が原因となって起こるアレルギー疾患の一つです。特にスギ花粉症は冬の終わりから春にかけて、毎年、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの症状で多くの人を悩ませています。日本では、スギのほかにもヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど約50種類の植物が花粉症を引き起こすとされています。
主な花粉症原因植物の飛散カレンダー
花粉症の原因となる主な植物の花粉飛散時期の一覧です。
お住まいの地域の花粉症原因植物とその花粉が飛散する時期を把握して早めに対策をしましょう。
-
- ハンノキ属
- 2月下旬~6月上旬
- スギ
- 2月下旬~5月上旬
- ヒノキ科
- 3月下旬~5月下旬
- シラカンバ
- 4月中旬~7月上旬
- イネ科
- 5月中旬~9月下旬
- ブタクサ属
- 9月上旬~9月下旬
- ヨモギ属
- 8月下旬~9月中旬
- カナムグラ
- 9月上旬~9月下旬
-
- ハンノキ属
- 2月中旬~5月上旬
- スギ
- 1月上旬、2月上旬~4月下旬、11月上旬~12月中旬
- ヒノキ科
- 2月上旬~5月下旬
- シラカンバ
- 4月下旬~6月上旬
- イネ科
- 4月上旬~7月上旬、7月下旬~10月上旬
- ブタクサ属
- 8月上旬~10月中旬
- ヨモギ属
- 9月上旬~9月下旬
- カナムグラ
- 8月中旬~10月中旬
-
- ハンノキ属
- 1月下旬~4月中旬
- スギ
- 10月下旬~4月下旬
- ヒノキ科
- 3月中旬~5月下旬
- シラカンバ
- 4月下旬~5月上旬
- イネ科
- 3月下旬~6月下旬、8月上旬~10月中旬
- ブタクサ属
- 9月上旬~9月下旬
- ヨモギ属
- 9月中旬~10月上旬
- カナムグラ
- 9月中旬~10月中旬
-
- ハンノキ属
- 1月下旬~4月上旬
- スギ
- 2月中旬~4月中旬、11月上旬~12月上旬
- ヒノキ科
- 3月中旬~5月中旬
- シラカンバ
- なし
- イネ科
- 4月中旬~5月下旬、8月下旬~10月中旬
- ブタクサ属
- 9月中旬~9月下旬
- ヨモギ属
- 8月下旬~10月中旬
- カナムグラ
- なし
-
- ハンノキ属
- 2月中旬~5月下旬
- スギ
- 2月上旬~5月上旬、10月下旬~12月下旬
- ヒノキ科
- 3月上旬~6月上旬
- シラカンバ
- 4月下旬~6月中旬
- イネ科
- 3月下旬~10月中旬
- ブタクサ属
- 8月下旬~9月下旬
- ヨモギ属
- 8月下旬~10月上旬
- カナムグラ
- 9月中旬~10月上旬
-
- ハンノキ属
- 3月上旬~4月中旬
- スギ
- 2月上旬~4月下旬、11月上旬~12月上旬
- ヒノキ科
- 3月下旬~5月上旬
- シラカンバ
- なし
- イネ科
- 4月中旬~6月中旬、7月下旬~10月上旬
- ブタクサ属
- なし
- ヨモギ属
- 8月下旬~9月下旬
- カナムグラ
- なし
-
- ハンノキ属
- 3月上旬~4月上旬
- スギ
- 1月下旬~4月中旬、11月下旬~12月下旬
- ヒノキ科
- 2月下旬~5月中旬
- シラカンバ
- なし
- イネ科
- 4月中旬~6月中旬、7月上旬~10月下旬
- ブタクサ属
- なし
- ヨモギ属
- 9月中旬~9月下旬
- カナムグラ
- 9月中旬~10月上旬
-
- ハンノキ属
- 3月上旬~4月上旬
- スギ
- 2月上旬~4月上旬、11月下旬~12月上旬
- ヒノキ科
- 3月中旬~4月下旬
- シラカンバ
- なし
- イネ科
- 4月上旬~6月上旬、8月下旬~10月上旬
- ブタクサ属
- 9月中旬~10月中旬
- ヨモギ属
- 8月下旬~10月上旬
- カナムグラ
- 9月下旬
[調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2 /10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] 市立札幌病院/東北大学
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] NHO相模原病院
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] 浜松医療センター
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] 日赤和歌山医療センター
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] NHO西新潟中央病院/富山大学
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] NHO松江医療センター
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] NHO高知病院
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成 [調査方法] ダーラム型(重力法)による。5年間で3個/cm2/10日以上の花粉観測があった期間を飛散期間とした
[観測地点] NHO福岡病院
厚生省花粉症研究班 日本列島空中花粉調査データ集(2000年) より作成
年々増えている花粉症
花粉症の患者さんは年々増加しており、1998年と2008年で比較すると、有病率は19.6%から29.8%へと1.5倍に増加しています。
林野庁ホームページより 資料:林野庁業務資料(平成24年3月31日)
通常、スギ花粉が盛んに生産されるのは、30年生以上と言われています。
花粉症患者さんが増えた理由に、スギ花粉の増加があります。
スギは植林後40年ほどで成木になり、花粉を飛散しはじめます。現在、植林されたスギの大半が樹齢40年~60年となり、活発に花粉が飛散する時期を迎えています。